1級FP試験が年3回に!

FP試験を実施している金財((一社)金融財政事情研究所)は来年度より1級ファイナンシャル・プランニング技能士検定を今までの年2回から3回に増やすことを発表しました。

2級と3級は以前から年3回でしたから1級もそれと同じ扱いになったということになります。1級FPは非常に難易度の高い試験です。特に学科試験は合格率も低く、1発合格はむずかしく2回以上受ける人も少なくないはずです。(正確な統計はありませんが・・・)

受検チャンスが増えるという意味では受ける人にとってはありがたいことだと思います。

年3回にしたのねらいはどこにあるのでしょうか。

金財のサイトに理由らしきものは何も書いていませんでした。

ここからは私の勝手な推測です。

受ける人が少ないから試験も少ないのだと、それが当たり前のように思っていたのでいろいろと憶測をしたくなったのです。

2級、3級は、金財だけでもそれぞれ4万人前後の申込者数がありますが、1級は1万人にも及びません。全体の1割程度でしょうか。圧倒的に少ないのです。

「でも私の知らない間にFP資格の人気が上がってきて受検者数が増えてきたのかな?」

そう思い金財のサイトから過去5年のデータを拾い出してまとめてみました。(下表参照)

増加はしているが・・・

徐々にではありますが確かに増加傾向にあることに違いはありません。それでも全体からすればわずかです。合格率も10%程度ですから実技試験を受ける人は全体の1%くらいだと思われます。

よって、受検者増加だけで試験回数を増やすとは考えにくいですね。

もうひとつ謎が・・・

ところで、表をよく見てみると面白いことに気がつきました。同じ年の1月と9月を比べるとなぜか1月の方が申込者数が多くなっています。普通に考えれば逆じゃないのかなと思いませんか?

仮に2級合格者が直後の1級試験を受けるとすると今までだと以下のようになります。

  • 1月試験で2級合格→9月に1級学科受検。
  • 5月試験で2級合格→9月に1級学科受検。
  • 9月試験で2級合格→1月に1級学科受検。

9月から次の1月までは4ヶ月しかありませんが、1月から9月は8ヶ月もあります。次の試験までの期間が長いほうが、その間待っていた人も多く、上記の考え方で予想すれば9月の受検者は2倍なるはずです。それが逆に少なくなっているのは不思議です。

「間のび」を防止するため?

受検者の気持ちで考えると8ヶ月というのがかえって緊張感ややる気を削ぐ結果になっていたのかもしれません。2級合格の勢いそのまま間を置かず勉強を継続して次にチャレンジするほうがいいようにも思います。8ヶ月あるとゆったり構えてしまい2級で鍛えた実力が鈍ってしまい申し込む気力も失せてしまう可能性があります。

たしかに2級合格から1級の学科は4ヶ月ではちょっときついかもしれません。しかし間を置くより受検しようという気持ちは強いのではないかと思います。一度受けて不合格になった人もおなじです。再チャレンジが8ヶ月先ではモチベーションが保てないのではないでしょうか。

金財側としても受ける人を増やしたいはずです。試験回数を増やす手間は係りますが、結果的に経済的だと判断したのではないでしょうか。あくまで私の私見ですが。