貯金が少ないにもかかわらず「もしもの時」に対しては無関心な若い人はたくさんいます。
関心がないわけではないのですが、漠然とした不安を持ちながらも備えることにはあまり熱心ではない、と言った方いいかもしれません。
これに乗じて近づく「悪徳業者」もたくさんいます。「悪徳」とまでは言いませんが、保険屋さんはこの漠然とした不安を煽り生命保険に入るよう促します。年金などの公的社会保障のことなど聞かされないまま、私も若い時には言われるがままに生命保険に入りました。生命保険に入ることが間違ったことではなく無知なことと無防備なことが最もダメなことなのです。私も学校で教えてもらわないことには無知で無防備だったと思います。
社会人になれば厚生年金や国民年金に入ることになるのですが、給料から天引きされているだけで、きちんとした説明を受けた記憶はありません。今思えばこの時点が「お金リテラシー」を身につけるための入り口だったのかもしれません。
たしかに公的年金制度の仕組みは複雑です。専門家から懇切丁寧な説明を聞いてもすぐに理解できるようにはなりません。しかし、知らないままで結果的に損をするのは自分です。疑問や不安があれば、自分で調べたり人に聞いたりして知識を取りに行くのが大人の勉強です。
では、どうやって勉強したらいいのか。
学校で学ぶ物理学の勉強のように教科書があれば体系的に学ぶことができるのですが、大人になると中学生のようにみんなが同じ知識レベルではないので決まった教科書が用意されているわけではありません。
そこで私がおすすめするのがFP(ファイナンシャルプランナー)試験の勉強です。
正しくは「(3級・2級・1級)ファイナンシャル・プランニング技能士検定」
年金の計算方法も含めて勉強することができます。一時的に勉強しての試験が終われば多くの知識は忘れてしましますが、年金のことでも知らなかったことに対する「気づき」が得られるだけでも大きな収穫です。
例えば、以下でも出てきますが、厚生年金には、老後の生活資金だけではなく、亡くなったときは「遺族厚生年金」いう生命保険のような役目を持っていることや、障害を負うことになったときの保険の役割があることなど、制度を知ることができるだけでも勉強の甲斐があったというものです。
今回はその「亡くなったとき」のことを中心は理解を深めていきましょう。
このつづきは次回(公的年金制度の遺族給付(2))へ・・・